介護職員初任者研修は以前のホームヘルパー2級と同じような資格ですが、実務者研修はどのような資格かと言いますと、以前のホームヘルパー1級、及び介護職員基礎研修と同等の資格です。以前の資格の名前からご想像頂けるかと思いますが、以前のホームヘルパー1級の資格はホームヘルパー2級よりも踏み込んだ深い知識を習得しているとされる資格です。つまり、今で言う実務者研修とは介護職員初任者研修よりもさらに実践的な知識と技術がある人が取得している資格です。
介護士として必要とされる認知症、介護過程の深い理解と展開について学ぶことができ、介護の専門家として一生涯の仕事となるスキルが取得できます。実務者研修は介護士の質を高め、今までわかりづらかった介護士のキャリアアップの仕組みをわかりやすくするため、2012年に作られました。介護士の方でスキルアップ、キャリアアップを考える人はまず実務者研修の取得を目指しましょう。
実務者研修を取得するメリットは大きく分けて2つ存在します。
まず1つ目がサービス提供責任者になれることです。訪問介護事業所では配置することが必須である「サービス提供責任者」になるためには実務研修の修了、もしくは介護福祉士の資格が必要です。サービス提供責任者の配置は必須であるため、これになることのできる実務者研修を修了した介護士は現場から強く求められることがわかります。
そして2つ目のメリットは、たん吸引と経管栄養が学べることです。たん吸引と経管栄養の処置は原則として医師と看護師にのみに認められています。しかし現在では実務者研修を修了し、且つ勤め先などの指定事業所内にて実地研修を受けることで介護士の処置も認められました。こちらも先ほどのメリット同様実務者研修を修了している介護士が多くの現場に求められる要因の一つです。
では実務者研修は具体的にどのような役割を果たすのかを知ります。実務研修の役割はケアマネージャー、ケアワーカー、そしてヘルパーとの連携・調整役として管理業務全般に関わる重要な役割があります。そして仕事内容はケアマネージャーの作成したケアプランに基づいた訪問介護計画書の作成や担当ヘルパーとの連絡、ヘルパーの指導・育成・管理など幅広い仕事をこなします。仕事の多くが実際に要介護者と接するのではなく、ヘルパーなど実際に接する人たちをまとめあげ円滑に仕事が出来るように調整することなので、現場の作業ではなく管理がメインとなります。
その仕事内容、役割から施設長候補として働くこともあります。居宅支援事業者との連携やサービス担当者会議など、現場から離れたところの仕事もあり忙しいことは間違いないですが、忙しくとも周りに頼られながら働くことが好きな方にはぴったりの資格です。
キャリアアップを考える方へ介護に関する資格をどのくらい知っていますか?いきなり高い目標を掲げてしまっては途中で挫折してしまうかも知れません。そこで様々な資格を知り、さらに取得のしやすさ、キャリアアップの測り方をご紹介します。その中で、自分に合う道を見つけましょう。Contact : carelicenselist@yahoo.co.jp